いじめ認め校長名で文書謝罪 県西部の高校 6月から生徒が不登校 学校側「日常的暴行あった」(群馬)

いじめ認め校長名で文書謝罪 県西部の高校 6月から生徒が不登校 学校側「日常的暴行あった」
上毛新聞 2019/11/27(水) 6:02配信

 群馬県の西毛地域の県立高校に通っていた2年の男子生徒が同級生からの暴力や悪口を受けて不登校になった問題で、調査していた同校が日常的な暴行があったなどと複数回にわたるいじめ行為の事実を認定し、保護者に文書で謝罪していたことが26日、関係者への取材で分かった。

◎シャツにジュース、SNSで中傷…

 謝罪は25日付。男子生徒はすでに通信制高校に転学している。保護者は「なぜこれほどのいじめ行為が見過ごされていたのか疑問に思う」と語った。

 男子生徒は6月3日から登校できなくなった。同日に生徒から保護者に「いじめを受けている」などと相談があり、学校側に伝えた。その後、同校はいじめにより不登校が生じた疑いがあるとして、「いじめの不登校重大事態」に認定、調査していた。生徒は9月に転学した。

 県教委などによると、調査はいじめ防止対策推進法に基づき、学校が実施した。6、8月の2回、同学年の生徒全員にアンケート調査を行ったほか、男子生徒や関係する生徒、教職員らからの聞き取り調査もしたという。

 調査結果によると、男子生徒は5月ごろ、3人の生徒から、「肩への殴打」「上履き(サンダル)隠し」「尻への蹴り」「日常的な暴行」などのいじめ行為を受けていた。ワイシャツにジュースをかけられたり、教室のベランダから生徒手帳を投げられたりすることもあった。会員制交流サイト(SNS)で「(学校に)来なくていい」「死ねよ」などのメッセージが送られていた。

 調査結果の「校長所見」では、いじめ行為を行った生徒たちは「仲間同士のふざけ合い、じゃれ合いであるという認識」だったというが、「本心では嫌がっている男子生徒の気持ちに気付かないまま、いじめ行為が継続して行われていたという状況が確認された」としている。さらに校長名で「いじめ行為を早期に発見することができず、心身の苦痛を負わせてしまったことについて、心よりおわび申し上げます」と謝罪している。

 校長は26日、上毛新聞の取材に「学校として何も答えられることはない」とした。県教委の担当者は学校からまだ報告を受けていないとし、「コメントは控えたい」としている。

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